スウェーデン人作家アンダーシュの展示会のお知らせ のこと



カーテン越しに差し込む暖かな太陽の光が春の訪れを
予感させてくれるかと思いきや、
今日の軽井沢は予報では午後から雪だとか。
それでも、昨日は道端に蕗の薹が残雪から顔を出していたりと
あと、少しの辛抱で季節も変わる頃となりました。

こちらNATURも昨年から進めていたイベントやプロジェクトが
春を待ちわびた蕗の薹のように少しずつ、輪郭を整え始めましたので
お知らせを・・・。

昨年催しましたスウェーデン人ジュエリー作家オーサ&ヘッレに続き、
この5月17日(土曜日)から5月25日(日曜日)まで
NATURでお馴染みのスウェーデン人陶芸作家アンダーシュの
新作作品の展示会を行います。


今思うと、アンダーシュとの出会いは偶然だったのか、必然だったのか。
旦那さんと、NATURのための作家さんに出会うため、
おんぼろ車でスウェーデン中を走り回っていた頃です。
ある女性作家さんとのアポイントがあったため、彼女の工房へ出向き
お互い簡単な自己紹介を済ませ、作品を見させて頂いていると
彼女が私達にお茶を運んでくれました。

ふと差し出されたお盆から、私か旦那さんかが手にしたカップが、
アンダーシュの作品でした。

今でも、あの心が一瞬にふわっと浮遊した瞬間を覚えております。
流行に惑わされないスッと立ち上がったような表情、それでも
優しさ、温かさを兼ね備えた釉薬と色。

勿論、いや、失礼な話ではありますが興奮が抑えられずその作家さんに
このカップの作家さんのことをお聞きした事は言うまでもありません。
彼女のアトリエをあとにし、快く頂いた電話番号に何度か掛けても繋がらず、
それでも近くまで行けばなんとかなるかもと、
帰国も残すところ僅かとなっていたため
焦る気持ちに拍車がかかり、相変わらずの無鉄砲ぶりで
旦那さんが車を走らせる中、携帯を鳴らし続けました。

ようやく、受話器が上がったかと思うと、そこからは低くも、
優しさを感じるアンダーシュの声が!
私は先ほどの作家さん宅のことを手短に話、私達がどれだけ感動したか
お伝えし、そして、出来れば今日お会いしたいとお伝えしました。
アンダーシュは庭仕事の最中だったのでちょっと汚れているけど・・・と。
いやいや私達は全然!と。
いきなり見ず知らずの日本人からの電話・・・。どれだけ困惑させたかと
思いますが、とにもかくにもでした。

DMにも書かせて頂きましたが、彼からは不安になるほどの簡単な道案内。
ナビもついていないおんぼろ車だったため、ひたすら車を走り続けました。

そしてようやく日が傾く前に到着したのが、これらのお写真、アンダーシュの
自宅兼アトリエ。

大きな体に優しい目。ゆっくりと微笑む表情が今でも忘れられません。



そのアンダーシュが5月17日よりNATURで定番作品の
他に新作の陶器作品を展示販売して下さいます。
そしてそして、今回は5月18日(日曜日)18時より、
アンダーシュにお願いし、スウェーデン工芸について
レクチャーを行ってくれることとなりました。
スライドをご用意し、アンダーシュの講義とともにスウェーデンの
工芸を少しでも多くの皆様にお知り頂ければと思います。
是非、一人でも多くの方にご参加頂ければと思います。
(レクチャーは無料となります。ご参加様の人数も出来る限り店舗で
ご対応出来る人数までお受けする予定でございます。)
日本人が感じてきたスウェーデン像と、スウェーデン人が伝えるスウェーデンらしさ、
その違いがきっと面白いのではと思います。


5月になればここ軽井沢も若葉が芽吹き、爽やかな季節となります。
多くのお客様にアンダーシュの作品をご覧頂ければ、幸いです。

それではどうぞよろしくお願い致します。

須長

追伸
レクチャーに関してのご質問等、メールでもお受けしておりますので
お気軽にお問い合わせ下さいませ。




















 
欠けたコップ のこと


近代的な建物に住む友人が多い中で
私が10年程住んでいたスウェーデンの港町、
ヨーテボリーの最初のアパートは、
時代に取り残された、まるで旧時代の香りを漂わせる
今にも崩れ落ちそうな古い建物でした。
そのため、毎年のように立ち退きの噂はアパート中の
住人を怯えさせ、ある年は駐車場に変わる、
また別の年は大型スーパーに変わるなど、
どこから来たか分からない噂に少なからず翻弄されていました。

その日目覚めたのは、週末の遅い午後。
昨晩、友人達と過ごした長い一夜のため
家路に着いたのは遅く、今日は明らかな寝坊でした。

ベットから這い出て一歩一歩、歩く度に疼く頭を抑え、
いつものように台所のガスレンジにマッチを一本すります。
薬缶から慌ただしく蒸気が噴くのを待ちながら、ふと窓の外に目をやると、
アパートの中庭には珍しく数人の住人達が、
遅い春の日差しを待ちわびたかのように集まっていました。

まだ若葉の芽も出ていない枯れたような木の下には、
アルコールに溺れた男性達が輪になり最後の一滴を絞り出そうと
何度も空のビール瓶を傾けては首を振り、
幼子達が走り回る姿を虚ろな目で眺める若い母親の指先には
灰になる寸前の煙草がいつまでもゆっくりと燃え続けていました。

このアパートは丁度、高速道路沿いに建っており、
大型のトラックや無数の車が走り抜けるたびに、
古く薄い窓はけたたましく揺れ動き
その振動が伝わる窓に手を置いては、中庭を眺め続けていました。

それからいつもように珈琲を入れ、PCを起動させようと・・・、
つきません。ブレーカーが落ちたのかと思い
何度か試し、他のスイッチを回してもつかない。
玄関を出て、踊り場や共同トイレのスイッチを試すも、同様につかない。
ここのアパートで初めての停電でした。
待っていればそのうち回復するだろうと呑気に過ごし、
簡単な食事を済ませてから15分、30分、それから
1時間経っても停電は続きました。
いつまでも続く、停電。
いくらなんでも他の住人が気付くだろうと思いつつも、
一向に回復する見込みはありませんでした。

今日中に仕上げなくてはいけない論文が一本あり、焦り始めました。
身支度を済ませ隣人の扉を叩いても返事はありませんでした。
ドアに耳を近づけても物音一つなく、階下に下り知り合いの扉を叩いても
返事はなく、その隣の扉を続けて叩いてもまたもや留守。
申し合わせたように3階建ての住人達は全員留守でした。

部屋に戻り、窓の外に目を向けると若い母親や
ビール瓶を傾けていた男性達はまるで一瞬に消えたかのように
いなくなり、中庭はいつものようにそらぞらしい様子でした。

とにかく今は週末、どこに電話を掛けていいのか分からず、
真っ暗な部屋の中、傾き始めた太陽を横目に冷めた珈琲を手に思案していると、
一つ叩いていない扉を思い出しました。
ここは3階立て、そうだ、1階の住人に聞いてみよう。

日当りが悪く日中でも明かりが必要な螺旋階段下りながら、
1階の同様に古びた扉を2、3度ノックしました。
留守かもな・・・と思い、引き返そうとすると扉はゆっくりと慎重に開きました。
私は開いた扉の隙間に、
ここ数時間、ずっと停電で、どこに連絡したかいいのか分からない、もしよければ助けてくれないだろうか・・・。
滑り込ませるように説明すると、少しずつ開きました。

そこに立っていたのは小花が刺繍された、
色の抜けたような赤いスカーフに頭を巻き、
足元を覆うほどの黒くビロードのワンピースに身を包んだ
どこかの国の年老いた女性でした。
てっきりスウェーデン人が住んでいるのだろうと思っていたので、
驚きつつも、その女性に改めて突然の訪問の非礼を詫びました。
そしてもう一度、丁寧に事の顛末を説明すると、彼女の表情は和らぎ、
私の手に重ねるように手を置き、無言で部屋に招き入れてくれました。
いや、玄関で大丈夫・・・、
そう言いつつも彼女に手を引かれ入った部屋はとても小さなちいさな部屋でした。
私の隣人の部屋も階下の知り合いの部屋も同じ間取りで、全て一緒かと思っていたのに
彼女の部屋は台所の広さにも満たない小さな部屋でした。

その部屋には二つのベットが隣り合うように置かれ、
その一つに彼女の夫であろう同じ年頃の痩せた男性が座っていました。
部屋に一つしかない窓からは僅かに傾きかけた日の光が入るものの
ベットには黒っぽい布が被せられ、
その布が一層この部屋を暗く印象付けるかのようでした。
彼女のスカーフのように赤い小花が散りばめられた壁紙は所々破れ、色は煤け傷んでおり
高い位置に飾られた古い金の額縁には、褪せてしまった白黒の家族写真が
罅が入ったガラスに大事そうに収められていました。

ご主人は手招きをし、向いのベットに座るように託しました。
それは申し訳ないと思いつつも、部屋も見回しても椅子はなく
言われたように腰掛け彼と向かい合うと、真っ直ぐに私を見つめ
優しく微笑んでくれました。
それからガラスが重なり合う音に目を向けると、彼女が小さな
台所、といっても電気コンロ一つと水道の蛇口がある暗がりの場所で
お茶を入れてくれているようでした。

私はご主人に顔を向け、もう一度、突然の訪問についてお詫びをし、
簡単に自己紹介をしましたが、彼はただゆっくりと微笑むばかり。
私は拙いスウェーデン語と英語をおり混ぜながら、
どこからいらっしゃのか、もう一度聞きました。
しかし彼は私の手に手を重ね、同様に無言で二三度ポンポンと優しく動かすばかり。
それから数分後、奥さんは小さなお盆に金で縁取られた、
これまた小さなガラスのコップを、飲んでという手振りで私に渡してくれました。

小さな金縁のガラスのコップの飲み口は所々、欠けていました。

唇を切らないように慎重に口を付けて飲む姿を見届けると、二人は続けて
飲み始めました。紅茶のような温かな飲み物には砂糖がたっぷりと入っていました。
美味しい、そう微笑むと二人共もう一度優しく笑顔をつくってくれました。

それからどのくらいこの部屋にいたのかは覚えていません。
心地よい沈黙の中、完全に日が落ち部屋が真っ暗になった途端、
奧の暗がりの台所の裸電球に光が灯りました。
点いた、よかった、ありがとう。
言葉が通じないながらもそういうと、ご主人と固い握手を交わし
同じように彼女は優しく私の手に手を重ね玄関まで見送ってくれました。
本当にごめんなさい、でも、ありがとう、安心しました・・・。
そう言うと彼女は私の頬に小さな手を置き、
まるで言葉以外の全てを理解してくれたかのように
ゆっくりと笑顔で微笑んでくれました。

また会ったら、挨拶をしよう、おはようございます、この間はありがとう・・・と
そう思いながら階段を駆け上がりました。

しかしそれ以降、不思議な程、彼らに出会うことはありませんでした。
共同の洗濯場でも、中庭でも、シャワールームでも表玄関でも。
1階の彼らの扉はいつもように固くしっかりと閉ざされているばかり。

それからスウェーデンでの生活にもなれ始めた頃、少しずつこの国が持つ
もう一つの顔を、移住の一人として感じるようになりました。
あのご夫婦は遠い国からの移民だったのかもしれません。
愛する祖国から深い悲しみと共に身一つで逃れ半年だろうか、それとも、もう何十年も
あの暗く小さな部屋に住み、新しい言語を覚えるには難しく、新たな仕事を得るには年を重ねており、
あのベットに腰掛けながら、今日も妻が淹れる甘い紅茶と共に過ごしているのかもしれない。

もう一度、あの扉をノックすれば良かったのだと、
今でも後悔する時があります。
そしてもう一度、ありがとうと、伝えれば良かったのだ、と。

若い母親に屈託の無い幼子、ビール瓶を傾ける男性達に、
そしてあの優しい老夫婦。

あの古びたアパートで受けた「言葉」以上の優しさを今でも
深く心に後悔と共に刻み込みます。
あの欠けたコップとともに。






















































 
お店 のこと
コンテナが無事到着し、店舗にも新しいお品を
ご提案させて頂いております。

まずはロイヤルコペンハーゲンの花器や器から。
存在感もありながら繊細なデザインはいつみても、
美しいと感じます。


それから、お写真がぶれてしまって申し訳ないのですが
デンマークから調味料入れ用のガラスケースも届きました。
こちらアンティークボタンをご提案するのにいいかなと、
購入。勿論、ガラスケースも販売しております。
制作はスウェーデン。シンプルなデザインで可愛らしくお出しした直後に
幾つか御購入が決まりまして店舗の在庫も今や品薄となってしまいました。
また入荷予定はございますので。



こちらもぶれてしまって申し訳ありません。
スウェーデン人作家オットさんの新作となります。
主に教会のキャンドルを制作される方で、現地で訪問し
選ばせて頂きます。天井から吊るすタイプなど大きな
デザインも何とも言えずに素晴らしいのですが
卓上や窓辺に気軽に飾ってご使用頂くのもいいなと、思い
今回は小さめなデザインを中心に。
キャンドルを灯すのは、クリスマスや冬のイメージが強いですが
夏の夕暮れ時に灯すキャンドルの光は、極上の一晩を演出してくれます。
私も、冬より夏のキャンドルの灯りが好きで、明るい色の蝋燭で
楽しみます。ですので・・・、

大きな瓶に入った蝋燭のように鮮やかなお色を揃えました。








今日の軽井沢は朝から快晴となりました。
でも気温は相変わらず肌寒く。
どうぞ皆様、暖かなお洋服でいらっしゃって下さいませ。
また屋根からの落雪もこの暖かな気候続きでは考えられますので
歩かれる時は十分にご注意下さいませ。

皆様のお越し、スタッフ一同心よりお待ち申し上げております。
インテリアではない部屋 のこと
大雪の中、自宅から出れないと嘆きつつも
非力ながら、玄関周りの雪をかき続けた毎日。

旦那さんは慣れない雪道に脚を取られながらも
雪かきのため店舗と自宅を往復してくれているので、
自宅の作業を進めるのは自分の役目と意気込むも、
数十分すると手首は痺れ、足元が冷え込みはじめると、
お茶でも飲もうと早々に家の扉を開ける始末でした。

外よりも暖かな室内の暖気に溜め息をこぼし、
濡れたコートに帽子を脱ぎ捨て、
扉を開けて目の前に鎮座する何も置いてない無機質なテーブルに目をやると
何故だか急に、スーパーに行けたら必ず花を買おうと一人思いました。
でもいい花瓶がうちにはないんだと、思い直し
そうだ、林檎を一袋買って、大皿にのせてもいいな、など
身体は疲労感が残るのに、頭の中は部屋を飾る思案で一杯になりました。




どうしてだろう。
そう思ったとき、級友達と旅したロンドンを思い出しました。



元来の出不精で旅行に出掛けるのは友人の薦めがあって、ようやく。
その時も友人のアンナがロンドン旅行を思いつきました。
今となっては、その旅行の目的は記憶に残っていませんが
そもそも、ロンドンには訪れたこともなく、計画もありませんでした。

それでも、アンナをはじめ、友人達数名で、1週間も満たない
ロンドン旅行を計画、それは勿論、貧乏旅行でした。
出費を抑えるため市内にある男女共同の格安ユースホステルに連泊し
その後、郊外に位置するB&Bに宿を移し、地下鉄を乗り継いで
市内や郊外を観光するのも面白いということで、
飛行機のチケットから宿の手配やらに浮かれる心を抑えつつ、数日が過ぎていきました。

さて当日の朝、私は空港で待ち合わせた4人の友人の姿に驚きました。
荷物はコンパクトにまとめ必要最低限で軽やかにというスタイルに陰ながら憧れ、
私は小さな旅行鞄に必要なものだけを吟味し、
加えて飛行機は格安航空、荷物の制限量も他社と比べかなり厳しいはずでした。

そんな中、現れた友人達のスーツケースは明らかに1〜2週間以上の旅行用に使う
大型スーツケースに、小型のキャリーを携える強者まで。
目をぱちくりしていると、アンナが私の荷物を見ながら
「色々考えていたら、全部必要な気になってしまって」と
恥ずかしそうに舌をだし、中身は何?と呆れつつ聞いても、
沢山ありすぎて言えないよと、
可笑しそうに口々に話していました。

一泊目の宿は市内にある小さなホステル。
空港から宿まで大きなスーツケースを助け合いながら押し合い、
慣れない英語表記の地下鉄を乗り継ぎ、歩いていると
ロンドンの大都会の喧噪や華やかさとは裏腹に、
確実に身体に疲労感を覚えさせられました。

ようやく着いた宿のチェックインを済ませ、
指定された部屋の扉を開けると、これまた小さな部屋に
詰め込むように2段ベットがところ狭しと並んでいました。
窓側の奧のベットには先客のヒョッロとした男性が2名。
アンナはあからさまに溜め息をつき、
「上手くいけば私達で、この部屋を使えると思ったのに」と、
悔しがりました。

彼らに簡単な挨拶を済ませ、各々がどこのベットを
取るか話し合っていると、その痩せた男性が
自分たちも外国からで仕事を探しにロンドンに来たと、
早口で自己紹介をした。
多分、彼らは彼らで、上手く行けばこの同室の女の子達と
仲良く飲みにでもと、企んでいたのかもしれません。
アンナはぶっきらぼうに、「私達は観光」と
投げ捨てるように伝えると、その様子に男性2名は
すごすごと自分たちのベットに戻っていきました。
「スウェーデンっていうと、いまだに誤解する男がいるの」と
嫌悪感一杯に顔を歪めました。
そんな彼女達の大きな大きなスーツケースは
今や開けられる事もなく
狭いベットの間に押し込まれ
所在なげに
この旅の始まりを静観するかのようでした。

それでも私達にとっては楽しい海外旅行と気分を変え、
次の日は簡単に朝食を済ませ、市内の地下鉄を
乗り継ぎ、目的地まで。
夜は、ロンドンならと皆でパブに寄り、カウンターで
フィッシュ&チップスを頼み、値段の高さに不平をこぼしながらも
なまぬるいビールで喉を潤しました。

明日も早いからと、早々に宿に到着し、思い思い過ごしていると
一人の友人が「どうしよう」と今にも泣き出しそうに
上の段のベットにいた私を覗き込みます。
どうしたの?と聞くと、彼女は元々、アレルギーがあって
食事面は自分で気を付けることができるんだけど・・・このシーツが
と大きな目から涙がこぼすばかり。
皆で彼女の側に集まると、彼女の身体全体が真っ赤な湿疹で腫上がっていました。
確認すると、この宿で使用している化学洗剤が
彼女の皮膚に合わないことが判明しました。

湿疹は時間を追うごとに赤く痒みを増し、こういった安い宿には
つきものの問題かもしれないと友人達と悩んでいると、彼女が私に、
「スウェーデンに電話を掛けたいけど、どうしたらいいの?」と
消え入る声でたずねました。
てっきり病院に対応を聞くのかと思ったら、恋人の声が聞きたいと。
国番号を教えると、即座に電話を掛け、彼の声が聞こえた途端、
彼女は、はち切れんばかりの大きな声で泣き出し、事の顛末を恋人に聞かせました。
皆もそんな彼女を見かねて「もう、これは宿をかえるしかない」と同意しました。
連泊をキャンセルして、郊外のB&Bに前倒しで泊まらせてもらう事になり
フロントにはアンナが話をつけてくれて、先方も友人の湿疹に対して
対応ができないという理由で快く、キャンセルを受け付けてくれました。

次の日、ベット脇に押し込められたいた大きなスーツケース達は
郊外の新たな宿にむかうため、また慣れない道のりを押し合いへし合い
不器用に石畳を小さなタイヤで頼りなく転がっていきました。

しなしながら
その郊外のB&Bは期待を超える程、申し分なく
小さな家の可愛らしい宿でした。
立地が不便ということもあって、
値段も抑え気味でありながら、清潔な玄関口で出迎えてくれたのは
さわやかな印象の白髪の男性でした。
彼は慣れたように朝食のことや部屋の使い方を説明してくれて
遥々スウェーデンからやってきた私達を親切に労ってくれました。

指定された部屋の扉を開けると、大きめな部屋に
人数分の小さめなベット、清潔な真っ白いシーツに、
窓は懐かしい小花が刺繍されたレースのカーテンで縁取られ、
床は深い緑の短毛の絨毯に、
ワイン色のビロードで張られた安楽椅子が
私達に安住を約束してくれるかのようでした。

友人も洗い立てのシーツに鼻を近づけ
「石けん洗剤の香りがする」と目を潤ませ一安心したよう。

各自、大きなスーツケースをベットの横に置き、
待ってましたとばかり荷解きを始めました。
私は、皆の鞄からは何が出てくるのかと
興味深々で作業を見守るとアンナは重そうな鞄から
うす布で包まれた綺麗に細工された
アンティークの写真立てを幾つか取り出し
「これが、私の恋人、これは両親で、これは愛犬の写真と・・・」と
ベットの小脇にあったテーブルはアンナの家族や恋人の写真で
一杯になり、それから恋人に贈る手編みのセーターを
この旅で作ろうかと思ってと、
小さな可愛らしい籠に収められた色とりどりの毛糸玉に編み棒と、
それとこれは祖母から贈られた大事な一品で、と話しながら
枕の上にかぶせる大振りのレースを取り出しては、
途端に小さなベットはスウェーデンのアンナの部屋のように
変貌していきました。

「ねえ、これをみて!」もう一人の友人が私に声をかけ、
同様に鞄から大事そうに取り出したのは、旦那さんとの
想い出の骨董市で見つけたという
艶やかな色や花でデザインされた日本の古い長襦袢。
「これはガウンに使うの」と嬉しそうに話し、
ベット脇にあるハンガーに飾るように掛け、
それからこれも、と、中国を旅行した際に見つけたという
鮮やかなビーズで刺繍された室内履きを床に揃え、
こちらも可愛らしい子供達や家族を写した写真立てを並べては、
自分たちの場所をつくりあげる事に終始、熱中していました。

数ヶ月の長旅ではない、1週間程の短い旅なのに、と
半ば呆れつつも、無機的な自分のベットと比べると
小さな香水瓶や恋人に宛てるためレターセット、
写真立てやレースで飾られた
友人達の場所はまるで別世界のようでした。

大きな鞄に込められていた彼女達の大事な生活の断片。

確かに、これだけの量ならこの鞄の意味があると
妙に納得してしまいましたが、
心地よい空間をつくりあげた彼女達は、
まるで自分の部屋のように実に、
リラックスしながら恋愛や親のこと、
または子供のことなどを
書きかけの手紙や刺繍、編み物に手をかけながら
短い夜を深く堪能するように過ごしました。

それから珍道中はありながらも、無事、スウェーデンの空港に到着すると
出迎えたのは各々のパートナー。
彼らは最愛の恋人や妻を見つけると、不器用に走り寄り小脇に抱えていた一本の赤い薔薇を手渡し、
熱く抱きしめる姿は、さながら映画のクライマックスのように劇的でした。

そんな劇的な再会に呆れつつも各自のパートナーに短い挨拶を交わし、一人バス停まで歩き
夜空を見上げては、彼女達の愛情に溢れた部屋を想像します。

きっと今日も贈られたあの赤い薔薇は、可愛らしい小さな瓶に飾られるのだろうと。
「私の大事なおもいで。」と言って。
窓辺か、ベットサイドか、小さなテーブルに。
そうだ、私も花を買って帰るか、旅のおもいでとして。

都会的でデザイン性の高い北欧のインテリア。
でもそんな代名詞だけの「インテリア」という言葉だけでは片付けられない
スウェーデン人の「部屋」に対する大切な部分を感じた旅でした。


















 
コンテナ到着そして買い付けへ のこと
2月28日、様々な心配、不安もありましたが
無事、コンテナが軽井沢に到着致しました。
下のお写真は郊外のアンティークショップの一コマ。


予想以上に倉庫が満杯になり、焦るばかりでございます。
実は今回の大雪の影響で軽井沢到着が、
2週間程ずれ込んでしまい
以前から予定していた北欧出張が、
3月に控えているためとにかく整理に費やす毎日。

小物に関しては少しずつ店内でご提案させて頂きます。
またお待ちのお客様に関しましてはコンテナ到着まで
お時間を頂戴し大変申し訳ございませんでした。
家具はメンテナンス後のご提案とさせて頂いておりますので
重ね重ね申し訳ございませんが、メンテナンスが終了次第
お声を掛けさせて下さいませ。
また小物をお待ちのお客様につきましては、ご準備出来次第
順次、ご連絡させて頂きますのでよろしくお願い致します。

3月の半ばに帰国予定ですので、3月末から4月には
準備万端で皆様をお迎え出来るかと思います。
コンテナには家具を中心に大きな絵皿を中心に、
3月の帰国時には細かなアンティーク類を送る予定です。

それではまだまだ雪深い軽井沢ではございますが
皆様のお越し、心よりお待ち申し上げております。
引き続き雪・コンテナのお知らせ のこと
今回の大雪の影響でいまだ、
深刻な爪痕を残すかのように
完全復旧には時間がかかりそうですが、
それでも町内は皆様のご尽力により、
一日一日と通常の生活が取り戻されようと
しているかと感じます。
しかしながらまだまだ、
ご不便な生活を送ってらっしゃる方も多いかと思いますので、
どうぞ皆様お怪我なくご無事でお過ごし下さいませ。
また外出時には足元のぬかるみや屋根からの落雪にも
どうか十分にお気を付けて下さい。

自宅は残念ながら除雪機が入らない地区で
人力の雪かきではなかなか目処が立たなかったのですが
昨日ようやく車を出せる状況となり、
主人も徒歩ではなく今日は車で引き続きハルニレの雪かきへ。
週末までにはお客様の安全な導線を確保出来ればと
願っております。
ハルニレテラスにお越しのお客様は、屋根からの落雪が
考えられますので、どうか軒下を歩いて頂きますよう、
重ねてお願い申し上げます。
軒下が歩きやすくなるよう準備は整えておりますので、
どうぞご無理のない範囲でお願い致します。
また町内の道路は安全とは言えませんので
お車を運転される方も、どうか引き続き接触等の事故に
ご注意下さいませ。


コンテナに関しましてお知らせです。
予定通り東京港に17日に入港したのですが
雪の影響なのか、最短でも軽井沢到着が
2月27日以降となりました。

長くお待たせのお客様にはご迷惑をお掛けしております事
心よりお詫び申し上げます。

またコンテナが到着し、お品検品後、お待ちのお客様には
順次ご連絡させて頂きますので、今しばらくお待ち頂きますよう
お願い申し上げます。

それでは簡易的なお知らせとなってしまいましたが
どうぞ引き続きよろしくお願い致します。





 
2月21日まで大雪のため休業 のこと
この度、記録的な大雪のため、連日に渡り
大変申し訳ないのですが営業の見通しが立たず、
2月21日まで休業させて頂く事となりました。
22日の営業再開を目指し、お客様の安全な導線確保を
目指しております。

商品に関しましてご対応をお待ちのお客様には
ご迷惑をお掛け致します事、心よりお詫び申し上げます。
また家具のご配送、ご連絡等に関しましても、
お時間を頂戴し大変恐縮ではございますが
準備が整い次第、順次ご案内させて頂きますので
ご理解ご了承頂きますようお願い申し上げます。


碓氷峠のバイパスも通行止め解除となり
一安心致しました。
皆様がお怪我なく無事にご帰宅できること
心よりお祈り申し上げます。

追記
ハルニレテラス内の飲食レストラン・温泉等は近隣住民の皆様のため
変則的ではありますが、可能な限り営業させて頂きます。
詳細はホームページでご確認下さいませ。



 
2月17日休業のお知らせ のこと


14日から降り続きました大雪の影響で
今だ、通常の生活には戻れない状況です。

昨日も18号は通行止めとなり、他の国道も
支障がありツルヤさんの前は立ち往生する車や
乗車していた人々の往来で深刻な光景でした。

大変申し訳ないのですが、このような状況の中
やはり17日の営業も難しく、ナチュールは
18日の営業再開を目指し
明日も準備させて頂く事となりました。

商品に関しまして
ご対応をお待ちのお客様には大変なご迷惑を
お掛け致しますこと、重ねてお詫び申し上げます。
ご理解、ご了承頂ければ幸いでございます。

どうか皆様もお怪我ないよう
十分にお気を付けてお過ごし下さいませ。


 
2月15日・16日臨時休業のお知らせ のこと
軽井沢内が観測史上初の
積雪100センチ程を記録し、
国道も通行止め等があり、
大変申し訳ないのですが
急遽、
ハルニレテラス内全店舗、15日・16日のみ
臨時休業とさせて頂きました。

大変申し訳ございません。
月曜日より通常営業とさせて頂きますので
引き続きよろしくお願い致します。

皆様のお住まいも雪で大変かと思いますので
どうぞ十分にお気を付けてお過ごし下さいませ。


 
積雪80センチ 営業見合わせ のこと
急なことで大変申し訳ございませんが
軽井沢が記録的な大雪、積雪80センチとなり
今日のハルニレテラスの営業は一時、見合わせて頂き
休業とさせて頂きます。
大変申し訳ございません。

こちらは今だ、降り止まず・・・。

それではどうぞよろしくお願い致します。
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